夜勤専従看護師

夜勤専従看護師のメリット・デメリット、転職時の注意点は?



病棟看護師は日勤と夜勤の交代制が一般的ですが、「夜勤専従」という働き方もあります。

メリットの多い夜勤専従の働き方には、もちろんデメリットも存在します。


それぞれを詳しく説明したうえで、夜勤専従への転職時にはどんな注意点があるのかを紹介します。

夜勤専従看護師、どんなメリットがある?

夜勤専従看護師のメリット

勤務がハードなイメージもありますが、夜勤専従として働く場合、多くのメリットが考えられます。

夜勤専従への転職動機にもなるメリットについて、紹介します。

少ない勤務日数で高収入が得られる

夜勤手当の相場は、2交代制で30,500円、3交代制では18,000~23,000円となっています。

常勤では、基本給に勤務回数分の夜勤手当や割増手当などが上乗せされるために、高収入になります。


常勤での平均的な月収額を比較すると、交代制では31~34万円、夜勤専従では35~41万円程度と、4~7万円程度の差があります。

非常勤の場合、夜勤1回の金額×勤務回数で計算されます。


非常勤の時給相場は、夜勤専従で2,500円、日勤のみでは1,900円です。

夜勤専従の場合は1か月に働ける時間数が制限されるケースが多いため、日勤で働く看護師と比較すると勤務日数が少なくなります。


しかしそれを加味しても、日勤で働くよりも多く収入を得ることができます。

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プライベートの時間を多く持てる

夜勤1回の勤務時間は、2交代制の場合約16時間、3交代制の場合約8時間となります。

また2012年まで義務化されていた、「夜勤専従看護師のひと月の勤務時間は144時間まで」というルールは、現在でもほとんどの病院で適用されています。


このルールに当てはめれば、夜勤専従で働くとすれば2交代制で9回、3交代制で18回まで勤務できることになります。

月に9回働くとすれば、1回の勤務後に2~4連休など、長めの休みを取ることも可能で、プライベート時間の充実が実現します。

子育てがしやすい

夜間も預かってくれる院内託児所があれば、子どもが眠っている間に安心して働け、休日はゆっくりと子供との時間を持てます。

この点から夜勤専従は、シングルマザーの看護師にも人気です。


ただし、託児所があっても夜勤では利用できない場合もあるので、注意してください。

人間関係のトラブルが少ない

夜勤では、日勤に比べ看護師の配置数がぐっと減ります。

そのため、職場でよく見られる人間関係の衝突が、夜勤では少なくなります。


夜間は患者さんのご家族に会わなかったり、上司と会う機会が少なかったりと、コミュニケーション上のトラブルの元も減ります。

そのため、気が楽と感じる看護師は多いようです。

生活リズムが安定しやすい

日勤と夜勤の繰り返しでは、生活リズムが乱れがちで、十分に休めないままに次の勤務を迎えてしまうことがあります。

夜勤専従になれば、勤務開始~終了の時間が決まっていて、次の勤務まで必ず1日以上空くため、「生活リズムや体調を整えやすい」というメリットがあります。

緊急時以外は落ち着いて働ける

夜勤専従の業務内容は日勤と変わりませんが、患者さんが眠っている時間が多いために、ケアの回数は少なくなります。

ナースコール対応や緊急入院の受け入れがあると忙しくなりますが、日勤のような慌ただしさが無く、比較的落ち着いて働けるのがメリットです。

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夜勤専従看護師のデメリットは?

夜勤専従看護師のデメリット

これらのメリットも、人によってはデメリットとなってしまうことがあります。

転職を検討する際には、デメリットについてもきちんと理解しておくようにしましょう。

体調を崩しやすい

夜勤専従の方が体調を管理しやすいと感じる方もいれば、一方でどうしても昼夜逆転の生活に慣れず、逆に体調を崩す看護師もいます。

眠りたいのに眠れなかったり、イライラしやすくなるケースも見られます。


人間の体内時計は、日中に活動して夜間に眠るようにできています。

これに逆らう生活になるため、慣れるまでは体力的にきつく感じることがあります。


また、家族や友人などと生活時間が合わず、精神的なストレスとなるのもデメリットです。

このような負担の重さから、数か月などあらかじめ期間を区切って、夜勤専従で働くという看護師も沢山います。

1回あたりの勤務時間が長い

特に2交代制の場合、勤務時間が16:30~翌9時など、休憩を含めて16時間以上の長時間になります。

このため疲れがたまりやすく、米国の調査では、夜勤専従看護師の19%が不眠を感じているという報告があります。


若い時は平気でも、年齢を経るとだんだんときつく感じられるようになります。

日勤より責任が重い

夜勤は日勤と比べ少人数勤務であり、高齢者向け施設では、夜勤の看護師は一人ということも多くなります。

そのため、一人の看護師が担う責任はより重くなります。


日勤であればすぐに医師がかけつけたり、他の看護師と協力して乗り切るようなトラブルでも、夜勤では、自分で判断して対処しなくてはなりません。

月に働ける時間の限度がある

先にも述べたように、夜勤専従看護師の1ヶ月の勤務時間は144時間までとする施設が大多数です。

夜勤専従で集中して勤務し、より高収入を得たい場合には、この時間制限がネックとなる可能性があります。

夜勤専従看護師に転職する時の注意点は?

夜勤専従看護師に転職する時の注意点

これらのメリットやデメリットにも関連した、夜勤専従看護師に転職する際の注意点についてまとめます。

転職後のミスマッチやトラブルを防ぐためにも、ぜひ念頭に置いておいてください。

経験やスキルが求められる

夜勤では少人数で勤務するために、採用時点で、採血やルートキープ、吸引などの基本的な看護技術があることが求められます。

また患者さんの病状が悪化・急変した際に、自分で判断や対応ができなければなりません。


そのため、夜勤専従看護師求人では、「2~3年以上の臨床経験があること」という応募要件であることがほとんどです。

それだけの経験がない場合、いったん経験を積んでから夜勤専従への転職を検討した方が良いでしょう。


また経験を積んでいても、入職時には慣れるまでは日勤を求められることがあります。

求人数が少ない

夜勤専従看護師は求人数そのものが少なく、看護師求人全体の5%程度しかありません。

さらに、非常勤での求人がほとんどで、常勤の求人はさらに希少です。


そんな夜勤専従看護師の求人には応募者が殺到するため、非公開求人として、看護師専門の転職サイトで掲載されることが多くなります。

このようなサイトに登録すれば、より多くの求人情報を確認することが可能できるようになります。


サイトによって扱う求人の傾向があるので、2~3のサイトに登録して内容を比較してみましょう。

体制が整っているかを確認する

夜勤専従者に対しての受け入れ体制が整っているかどうかも、事前に注意したい点です。

看護師が何名勤務なのか、介護施設の場合介護スタッフもいるのかどうかなど、夜勤体制を確認します。


また、初出勤のときにはフォローする看護師がついてくれた方が、安心して入職できます。

休憩や仮眠が確実にとれるかどうかも、確認しておきたい点です。


忙しい日だけでなく、ほとんどの出勤で休みなく16時間働くとなると、かなりの負担になってしまいます。

このような勤務体制については、看護師専門の転職サイトのエージェントを通して施設側に確認すると、より正確な情報を得ることができます。


転職サイトやエージェントを活用して、安心して働ける転職先を見つけましょう。

まとめ

  • 夜勤専従では、交代制より少ない勤務でより高収入を得られる
  • 人間関係のトラブルが少なく、落ち着いて働ける傾向がある
  • 勤務時間が長めになり、体調を崩しやすいのがデメリット
  • 2~3年以上の臨床経験が求められる点に注意
  • 求人数が少なく非公開になるため、専門の転職サイトで探す
  • 夜勤専従の受け入れ体制、休憩や仮眠が取れるかを確認しておく

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